Matsui's Space 松井秀喜ファンサイト

Columnコラム

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松井人気が改めて浮き彫りとなった2014年 NYで今も喝采を浴びる存在
世界一から5シーズン、今もヤンキースで愛される松井秀喜氏

 ヤンキースが最後に世界一に輝いてから、5シーズンが経過した。昨季は21年ぶりとなる2年連続プレーオフ逸に終わるなど、その後の名門球団は苦しい時間を送っている。それだけに、かつての思い出は輝きを増している。

 2009年の世界一に大きく貢献し、ワールドシリーズMVPに輝いた松井秀喜氏は、現在でもニューヨークで絶大な人気を誇る。ヤンキースに最後にチャンピオンリングをもたらした男。誠実な人柄も愛された日本人プレーヤーは、昨年もあらゆる場面でファンの熱烈な歓迎を受けた。

 2014年2月、松井氏は宮崎で古巣・巨人の春季キャンプに臨時コーチとして参加後、フロリダ州タンパに向かい、ヤンキースの春季キャンプでゲストコーチを務めた。全体練習開始前にはバッテリー組のキャンプがスタート。新加入の田中将大投手に大きな注目が集まったが、ファンは英雄の“復帰”も目当てにしていた。

「松井はいつくるんだ?」

 多くのファンが、大挙して取材に訪れた日本報道陣をつかまえては、こう訪ねた。

「ワールドシリーズMVPが帰ってきた」

 野手組も合流し、全体練習が始まると、打撃投手などを精力的に務めた松井氏。2月27日には、キャンプ中の本拠地であるジョージ・スタインブレナーで初のオープン戦が行われ、選手やほかのスタッフとともに場内に紹介された。

「ワールドシリーズMVPが帰ってきた。お帰りなさい。ゴジラー! ヒデキ マツイ!」

 アナウンスとともに背番号55のピンストライプでベンチから登場すると、場内は大歓声。キャンプ地のファンから、現役選手以上の歓迎を受けた。

 シーズン中には、2013年7月に行われた松井氏の引退セレモニーをまとめたVTRが、ヤンキースタジアムで全ての試合前に流された。ファンはその晴れ姿を改めて確認し、ヤンキースの試合を観戦した。

 6月22日には、ヤンキースタジアムで球団OBの恒例行事「オールドタイマーズデイ」に初参加。セレモニーではワールドシリーズに輝いた当時の映像が流され、ファンから大歓声を浴びた。

 ヤンキースタジアムを松井氏が訪れた時のファンの熱狂は、常に変わらない。8月25日にはヤンキース入団当時の指揮官で、松井氏が恩師と慕うジョー・トーリ元監督の野球殿堂入りを祝うセレモニーに出席。ここでも、場内に紹介されると、スタンドが大きく沸いた。

ヤンキースタジアムで必ず浴びる大歓声

 歓声の大きさは、ティノ・マルティネス氏、ポール・オニール氏といった往年の名選手をしのいだ。デレク・ジーター氏やマリアノ・リベラ氏にはかなわないものの、2人とともに「コア4」と呼ばれたホルヘ・ポサダ氏、アンディ・ペティット氏にも負けないものだった。

 トーリ氏はスピーチで、入団当初の松井氏にエンドランのサインを出していいかを聞き、快諾されたエピソードを披露。チームプレーに徹する松井氏の献身的な姿勢を称賛し、ファンも温かい拍手を送った。

 9月7日のデレク・ジーターの引退セレモニーで再びヤンキースを訪れた松井氏は、親友の功績を称えた。トーリ氏の時と同じようにヤンキースOBもいたが、この日はマイケル・ジョーダン氏ら球界以外のスターも集結。それでも、松井氏が紹介された時に歓声の大きさはトップレベルだった。ジーター氏とハグを交わすと、盛大な拍手が送られた。

 ジーター氏は9月25日のオリオールズ戦でヤンキースタジアム最終戦に臨んだが、この時は親交のある人物の惜別メッセージが試合序盤から順番にスクリーンで紹介された。松井氏が画面に登場すると、ファンは1、2を争う大歓声を上げて歓迎。ジーターもうれしそうに画面を見つめた。

 今年も松井氏が同じようにキャンプに参加したり、ヤンキースタジアムを訪れるようなことがあれば、ファンの歓迎を受けることは間違いない。ニューヨークにおいて、その存在は確実にスペシャルなものになっている。