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Columnコラム

産経新聞 大リーグ通信 2015, 8, 10, 0, 02015/08/08
松井秀喜氏、NYライフ満喫 「チームマツイ」を結成 遠のく日本球界復帰!?
 2012年をもって野球選手としての現役生活に終止符を打った元ヤンキースの松井秀喜氏。ピンストライプのユニホームを脱いだ後の白球生活を、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。大いにエンジョイしているようで、ますます日本球界で指導者復帰は遠のきそうだ。

 同紙によると、松井氏は6月下旬、マンハッタンの東に位置するランドールズ島で「第40回日本クラブ会長杯軟式野球大会」に出場したという。日本クラブとは110年の歴史を持つ会員制の社交クラブで、ニューヨークで暮らす日本人や企業、日本と深い関係を持つ外国人が名を連ねる。カルチャー講座や屋外スポーツイベント、セミナー、講演会など行われている。

 松井氏は「チームマツイ」で慣れ親しんだ背番号55を付け、投げては先発、打っても主軸。ただし、元大リーガーとあって、ハンディをつけないと試合にならないため、本来の左ではなく、右で打席に入る。

 松井氏は同紙記者の取材を断ったという。自分自身が表に出ること、この大会が過度に公になることを望んでいないからだったらしい。

 「チームマツイ」は、ニューヨーク近郊で野球教室をしていたとき、少年の親が冗談で「私のチームに入ってもらえないか」と言ったことから始まったという。松井氏はチームをサポートする、先発投手になる、の条件でOKした。松井氏はチームメートに対してヤンキースのジーターやポサダと同じように接し、好プレーにはグラブで叩きながら褒めるそうだ。「まさに野球を愛している」

 日本プロ球界の古巣、巨人で指導者の道を歩むかとも考えられたが、ニューヨークでの暮らしを選び、満喫している松井氏。当然、ヤンキースはファンに愛された存在を放っておくはずもなく、キャッシュマンGM付の特別補佐に任命。傘下のマイナーチームを回り、将来のスター候補に打撃指導するのが主な仕事で、時にはマウンドに上がって打撃投手も務める。

 ニュージャージー州のニュースサイト「NJ.com」は松井氏の3Aでの指導ぶりを報じ、近い将来、ヤンキースタジアムでプレーすることになる有望選手のバッティング練習を見守り、「スイングについて話をしました」とアドバイスを送った。英語もうまかったとも伝えている。米国でのコーチ業は早くも様になっている。

 ところで「日本クラブ会長杯」は、松井氏の「チームマツイ」が勝利して終わった。ニューヨーク・タイムズ紙によれば、松井氏は「われわれのチームが勝った、たった一つの理由は、ダッグアウトが日陰だったこと」と言ってみんなを笑わせたという。本当に野球を楽しんでいる姿が見てとれる。

 巨人などで今後もキャンプの臨時コーチを務めることは十分考えられるが、日本に腰を据えて本格的にプロ球団監督への道を歩むことは、当面望めなくなったようだ。